こんにちは!このブログの運営者、ゆいです。
今日のテーマは「美味しくて安全な黒米を選ぶ方法」です。
有機栽培・オーガニック・無農薬・特別栽培・ビオ・・・
あなたはこれらの言葉の違いを説明できますか?
以前、「黒米の「本当の」炊き方」という記事の中で、黒米を安心安全に食べるために気をつけたいこととして、①極力農薬や肥料を使われていないものを購入する②発芽させる、という2点のポイントをお伝えしました。
私自身、家族や自分の健康のために極力農薬や添加物の含まれてない食材や商品を購入し、自宅で調理するようにしています。そうすると、自然と「有機」や「特別栽培」などの表示があるものを選ぶことが多くなってきます。
しかし、実は今まで言葉の意味をよく分からないまま選んでいました。笑
なんとなく「身体によさそうに見えて」買っていました。しかし、この「なんとなく」はとっても危険です。
例えば、胡麻が身体に良いと聞いたので、毎日の食事に胡麻をたっぷり取り入れている人がいるかもしれません。確かに胡麻は栄養価も健康効果もすごく高い食材です。しかし、その胡麻の一粒一粒になんらかの薬品が降りかかっているとしたらどうでしょうか?果たして身体に良いのか悪いのかよく分からないですよね。
今回、お米や野菜のパッケージに表示されている「有機、オーガニック、無農薬、特別栽培、ビオ」という5つの言葉の違いをまとめたので、みなさんにシェアします。
この記事を読めば、黒米だけでなく他の野菜や加工品などの商品を選ぶ時に役立ちますよ!
Contents
有機栽培
「有機栽培」という表示は、農林水産省の有機JAS規格で認められた農産物・畜産物・加工品にのみ表示することが出来ます。
以下、農林水産省のHPからの抜粋です。
有機農産物とは
農業の自然循環の維持増進を図るため、以下の方法で生産された農産物
・たい肥等で土づくりを行い、種まき又は植え付けの前2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用しない
・土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる
・農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減
・遺伝子組み換え技術を使用しない
(農林水産省HPより)
2年以上も農薬や化学肥料が使われていないということは、土中の残留農薬にまで配慮しているということなので、とてもいい土で栽培された農産物なのだろうと想像されますね。
ただし、この文章には2つほど別の角度からみるべきポイントがあります。
そしてそれは、有機JAS規格のとってもなが~~い全文を読むとすぐに分かります。
ポイント①始めたての農家、小規模農家などで有機農法だけどJAS規格の取得をしていない場合がある
有機JAS規格に適合していることが認定されると、有機JASマークを貼ることが出来ます。また、有機JASマークのない農産物と農産物加工食品に、「有機」「オーガニック」などの名称を表記することは法律で禁止されています。
なので、実際には有機農法で畑作りからこだわりを持っている農家さんでも、法律上「有機」と表示できない場合もあるのです!
有機JAS規格の認定を受けるには、さまざまな基準や審査をクリアしていく必要があるようなので、手間も時間もかかります。
例えば、あなたが知っている農家さんで「有機、有機って言ってるわりに、JAS規格のマークがないけど大丈夫かしら?」と思われるかもしれません。それは、今まさに認定準備中ということかもしれませんね。
ポイント②有機JAS規格で許可された農薬や化学肥料は使っても問題ない
この、「有機JAS規格で許可された農薬や化学肥料」というのが存在することがポイントです。
詳しく読むと、許可されているほとんどの成分が自然由来のものや化学的に手を加えられていないものとされているので、健康被害がいかほどかは分かりません。
有機というと、全く農薬を使っていないというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、完全に不使用というわけではないということを抑えておきましょう。
オーガニック
このオーガニックという言葉、果たして有機とはどういった違いがあるのでしょうか?
実は・・・・オーガニックという言葉も有機同様に、有機JAS規格で表示を許可されます。
つまり、オーガニックも有機も全く同じ意味ということです。
オーガニッと有機って別々の意味をもつ言葉だと思っていた方もいるかもしれません。わたしは違うと思っていました。笑
無農薬、特別栽培
無農薬という言葉自体は珍しい言葉ではありませんが、特別栽培という言葉は「???」の人も多いのではないのでしょうか。
ちなみに、無農薬という言葉は法律上商品に表示してはいけません。
これを知ったとき、正直言って少し驚きました。だって、無農薬って結構よく耳にしたりする言葉だと思いませんか?すっかり聞き馴染みのある言葉なのに、表示が禁止されていたなんて全く知りませんでした。
詳しくは、農林水産省の特別栽培農産物に係る表示ガイドラインで定められています。
その中で、「無農薬や減農薬の語を用いないこと」となっています。その代わりに、商品として販売する際には以下のような表示が義務づけられています。
「特別栽培農産物」
その農産物が生産された地域の慣行レベル(※)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物のこと
※都道府県によって、農薬使用回数の慣行レベルが違います。
「農薬:栽培期間中不使用」
いかなる農薬も一切使用しなかった農産物
「節減対象農薬(※):栽培期間中不使用」
節減対象である農薬を、全く使用しなかった農産物
※節減対象農薬=有機JAS規格で許可された農薬以外
つまり、有機JAS規格で許可されている農薬は使っているということです
「○○地域比 ○割減」
地域のレベルと比較した数値を「○○地域比 ○割減」と記載可
「特別栽培米」
特別栽培農産物のうち、お米の表示に使用
いちいち長い・・・と思いませんか?笑
要点だけ簡単に覚えるとしたら、
・「特別栽培」は、農薬使用量が通常の半分以下
・「農薬:栽培期間中不使用」と表示されている場合のみ、一切の農薬を使用していないということ
・有機のように「2年以上」と言った期間の制約がない
という3つのポイントだけ押さえておきましょう。
【補足】特別栽培の1から49の幅
表記としては「特別栽培」とあっても、限りなく0に近い量しか使っていないこともあります。ほんの1%であっても49%であっても表記は同じ「特別栽培」なので、なんとももどかしい想いをしている農家さんもいらっしゃるそうです。
また、完全無農薬の農産物が必ずしも美味しいわけではありません。逆も然りで、「特別栽培」だけど土づくりにめちゃくちゃこだわって栽培されている農家さんもいて、買ってみると味が濃くてとても美味しかったりします。
個人的な意見ではありますが、「特別栽培」=ちょっとでも農薬使ってるからダメ!というのは、安直な気がします。
ビオ
最後にビオについてまとめます。
ビオとは、フランスにおける有機、オーガニックのことです。
ここでもまた少々驚きました。これら3つの言葉は一緒だったんですね!!!
日本における有機JAS規格同様に、細かい規則があります。
お国も違いますので、100%一致ではありませんが、農薬、化学肥料、遺伝子組み換え技術が禁止されている点は同じです。また、一部自然界にある物質で使用が認められているものがあるそうです。
加工品の場合最低、95%の原材料がビオで、残りの5%も極力自然な物が望まれます。
表示マークはフランス版と、EU版の2種類があります。
(画像はユーロ圏内で用いられているビオの認定ロゴ)
まとめ
・有機とオーガニックは同じ意味
・有機、オーガニックと表記するには、2年以上前から許可された農薬・化学肥料以外は使用出来ない
・ビオは、フランスにおける有機・オーガニックのこと
・無農薬という表示は禁止されている
・一切農薬が使用されていないものには「農薬:栽培期間中不使用」と表記される
・地域の慣行レベルに対し50%以下の農薬しか使われていない場合は「特別栽培」と表示出来るが、1~49%まで大きな幅がある
最後に黒米に関して言うと、「特別栽培米」「農薬:栽培期間中不使用」などの表記を見かけることがよくあるので、購入する際には目じるしにしてみてください。
この記事が、黒米だけでなくいろんな農産物や農産物加工品の購入の際にお役に立てれば嬉しいです。また、そうして手をかけて育てられた野菜たちは、スーパーの特売野菜に比べて味が濃くてとても美味しいものが多いです!もっともっと消費者が増えれば、有機や農薬不使用の農産物の栽培・流通量も増えるので、今まで有機や農薬不使用の農産物を手に取ったことのなかった人が、これらを手に取るきかっけとなれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。